心が洗われる瞬間。



中学時代の友人との飲み会。 ほぼ人生初。


中学時代、それは思い出したくもない過去。 

中2病に侵され、ニキビに悩み、第二次性徴に突き上げられる日々。

誰も分かってくれないと自分だけが別の次元にいるような錯覚。



その現実から逃げるために毎日弾きまくったエレキギター。



自分が嫌いで周りの人々も嫌いで、さぞかし自分は嫌な奴だった筈。




25年の時を経て、ふと届くFacebookのDM。



Caught me off guard という英語表現、まさにぴったり。 不意を突かれてつい深く考えず参加。



亀山が酔っ払って叫ぶ「松野ステップ!!」


今考えれば超ダサい へっぽこマイケルジャクソン風な振り付けを自ら考えて 

クラス全員を巻き込んで踊らせた体育祭。  

すっかり忘れていた過去。まさに中2病。 


でも亀山は決してからかう意味で松野ステップ!と叫んでいたわけでも、 


無理やり踊らされて迷惑だったという意味でもなく、


ただ強烈に残る体育祭の思い出として僕に何度も叫ぶ「松野ステップ!!」


「中2のお前らに俺様がマイケルのステップを教えてやるぜ!」

という寒々しい自意識の元に偉そうに振り付けをしていた


今考えればダサい僕。


こんなのは氷山の一角。


恐らく僕は色んな場面で皆んなに偉そうに何かを語っていた筈。

そんな最低な僕が

25年後亀山の酔っ払った叫びによって

得ることができた


許し。




僕の存在や言動を嫌がっていた人もいたかもしれないが、

楽しい思い出として記憶している人もいたという事実。



そして、その場にいたみんな。




新井も古館も竹さんもイトも こんなに素敵な奴だったんだと。  


それを分からずにいた中学時代。



きっと多かれ少なかれ


皆んながそれぞれに


お互いを


見下し 


自分だけが特別だと言う勘違いをする 


それが


中2病。



程度の差はあれど

ほぼ全員が

罹患。


そんな病人が病人同士と仲良くなれる筈なんてなかったという事に


やっと気づく25年後。




僕は自分の過去を許し、そして過去に許されたのかもしれないと


大層な事を考えながら

飲み干していた 中ジョッキの生。